美女の正体 (著) 下村一喜 感想

「美女」とは何なのか?フランスで才能を認められ、日本でも活躍する写真家 下村一喜による「美女という生き物の正体」について書かれた本です。

表紙のインパクトと、まえがきに代えて引用されているオスカーワイルドの一節に惹かれて購入しました。

オスカーワイルドのことはよく知りませんでしたが、「ところで、綺麗な女かね?」「あたかも美人であるかのごとくに振る舞っています・・・そこにあの女たちの魅力の秘密があるのでしょう」という引用に、生まれつきの顔かたちについて書かれた本ではないんだ、と感じて興味を持ちました。

自分自身「生まれつきの美女」ではないこと、見た目にコンプレックスがあり損をしたりつらい思いをした経験もあります。

この本には「美女」という存在のあいまいさがすごくわかりやすく書いてあり、折り合いをつけたと思い込んでいたコンプレックスと改めて向き合うとても良いきっかけになりました。

結局美しさなんて人それぞれで、いかに自分自身の個性を理解し、うまく利用して演出していくか。

通常、美しさにはピラミッドのようなヒエラルキーがあるとされることが多いと思います。わたしもそう思っていましたが、この本では「グラデーション」と表現されています。

絶世の美女(異形)~いわゆる美人~中の上~中の下~下~別物(異形)・・・

別物(異形)と絶世の美女(異形)は隣り合わせになり、全体に輪っかのようなイメージです。右にも左にも行き来自由。昨日の中の上が、明日にはいわゆる美人になったり、逆もしかりなんだそうです。

人にはそれぞれコンプレックスがあり、ないものねだりをしてみたり「背が低い」「目が小さい」など言ったところで何にもならないことを嘆いたりする。

欠点だって活かしよう、もらった素材でどうにかして自分なりの「美しさ」を作っていくしかない。

写真家である作者の「美女」への愛情と経験や知識に裏打ちされた理論であることもあり、いい意味で自分の見た目に諦めがつきました。

駄々をこねても仕方がない。今持っている素材で、どんな「美しい自分」を作っていこうか?個性は美になりうる、と勇気が沸いた一冊でした。