残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法 (著)橘玲 感想

著者が橘玲さんであり、以前読んだタックスヘイブンという書籍が面白かった為、タイトルだけを見て本書を購入しました。
通常の小説かと思いきや、内容は現実に自分たちが生きる世界で、今後どのように生きていけばいいかを検証したような内容でした。
自己啓発本やハウツー本が溢れている現代ですが、世に溢れている書籍たちに対しても発信しているように感じます。
自己啓発本や一般的な教育論では、やれば出来る・努力すれば夢は叶う、などの考えが普及していますが、本当にそうなのかというところを主に欧米の実験や検証のデータを用いて解説してくれています。
解説に使用されているデータが主に欧米のものである背景として、日本の教育における牛歩のようなスピード感に対しても問題提起されており、日本の現状を振り返ると、世界の中では先進国に入りはしていますが、今や落ち目のような状態であるような気がします。教育界においても本書を読む必要があると感じます。
また、最近の流れとしては、AIという人工知能やloT技術の進歩などにより、近い将来には事務的・単一的な仕事を人間がすることがなくなり、ロボットに置き換わってしまうと予想される中で、人間は好きなことや得意なことを仕事にすることが出来るといった考えを聞くようになりました。
本書では楽観的に好きなことや得意なことが仕事になっていくのではなく、他人と比較した場合、より優れた人が多くいる中で、費用対効果などの面から優位にいる為には好きなことを仕事にしていくしかないと、やや悲観的な目線で説明しています。
悲観的な話も本書には出てきていますが、最終的にはニッチな分野というのは需要がないわけではない為、ニッチな分野でさらにニッチな分野を見つけ、突き詰めていくことで他人よりも優位になれることが書かれています。
いつの時代も悲観的に物事を考えるのではなく、現状の中で自分が優位に、楽しく生きる術はある為、自己分析による自分の得意分野や好きな分野を知ることが非常に重要であると考えさせられた本書でした。